さようなら…日本人の心
誰かと別れる時とか、見送る時に「さよなら!」と言うけど、その意味を考えたことなど今までになかった。
日本人にはあまりにもあたりまえのこの言葉に、感銘をうけたというアメリカ人の話を知りました。
誰のことかというと、有名な飛行家のリンドバーグの奥さんでエッセイストのアン・モロウ・リンドバーグが昭和の初めエッセイの中で書いていたんです。
それは、1931年にリンドバーグ夫妻が、アメリカから北廻りで飛行中の事故で北海道(正確には千島列島)に不時着した時の話だそうです。千島列島の海辺の葦のなかで救出された夫妻は東京で熱狂的な歓迎をうけ、いよいよ横浜から帰国する時、ぎっしり埠頭を埋めた見送りの日本人が、口々に「さようなら」と叫ぶので意味を聞いたら、
「さようなら、とこの国の人々が別れにさいして口にのぼせる言葉は、もともと「そうならねばならぬのなら」という意味だとその時私は教えられた。「そうあらねばならぬのなら」 なんと美しいあきらめの表現だろう。
西洋の伝統のなかでは、多かれ少なかれ、神が別れの周辺にいて人々をまもっている。英語のグッドバイは、神がなんじとともにあれ、だろうし、フランス語のアデュユも、神のみのとでの再会を期している。それなのに、この国の人々は、別れにのぞんで、そうならねばならぬのなら、とあきらめの言葉を口にするのだ」と夫婦で感動しているんです。
なるほどそんな意味があったとは、今まで思いもしませんでした。確かに日本人の根底にはまず相手を気遣う文化がありますよね
それとは別に、安政(
)3年に米国総領事として来日して、日米修好通商条約を結ばせることに成功したハリスの日記でも、日本人の精神性の高さに驚いているという河合敦さんというかたのコラム記事もありました。
ハリスが来日した目的は本国から課せられた任務を全うするということ以外に、敬虔なクリスチャンだったため、この未開(
)の国をキリスト教の感化によって文明国に押し上げ、人々を幸福にしたいという宗教的使命感があったそうです。
ところが日本に滞在する間に彼の気持ちをは大きく変化していき日記に次のように書いているそうです。
日本人は「皆よく肥え、身なりもよく、幸福そうである。一見したところ、富者も貧者もないーーこれが恐らく、人民の本当の幸福の姿というものだろう。私は時として、日本を開国して外国の影響をうけさせることが、果たしてこの国の人々の普遍的な幸せを増進する所以であるか、どうか、疑わしくなる。私は質素と正直の黄金時代を、いずれ他の国におけるよりも、より多く日本において見出す。生命と財産の安定、全般の人々の質素と満足とは、現在の日本の顕著な姿であるように思われる」『日本滞在記』ハリス著
昔はこんなに褒めて貰ってるのに、今の日本人は
確かに日本人は終身雇用制みたいに、強い者が弱い者を守ってみんな一緒に行こう!みたいな風土があったのに、いつの間にか「欧米なみ競争原理を持ち込まないと生産性が上がらない!」とか言って、次々規制緩和とかやってるうちに、あっという間に悲惨な格差社会になってしまったような気がします。このまま相手を思いやる精神が消えていくと危ういかも…
今の日本みたら、アン・モロウ・リンドバーグやハリスはなんて言うのかな?
日本人にはあまりにもあたりまえのこの言葉に、感銘をうけたというアメリカ人の話を知りました。
誰のことかというと、有名な飛行家のリンドバーグの奥さんでエッセイストのアン・モロウ・リンドバーグが昭和の初めエッセイの中で書いていたんです。
それは、1931年にリンドバーグ夫妻が、アメリカから北廻りで飛行中の事故で北海道(正確には千島列島)に不時着した時の話だそうです。千島列島の海辺の葦のなかで救出された夫妻は東京で熱狂的な歓迎をうけ、いよいよ横浜から帰国する時、ぎっしり埠頭を埋めた見送りの日本人が、口々に「さようなら」と叫ぶので意味を聞いたら、
「さようなら、とこの国の人々が別れにさいして口にのぼせる言葉は、もともと「そうならねばならぬのなら」という意味だとその時私は教えられた。「そうあらねばならぬのなら」 なんと美しいあきらめの表現だろう。
西洋の伝統のなかでは、多かれ少なかれ、神が別れの周辺にいて人々をまもっている。英語のグッドバイは、神がなんじとともにあれ、だろうし、フランス語のアデュユも、神のみのとでの再会を期している。それなのに、この国の人々は、別れにのぞんで、そうならねばならぬのなら、とあきらめの言葉を口にするのだ」と夫婦で感動しているんです。
なるほどそんな意味があったとは、今まで思いもしませんでした。確かに日本人の根底にはまず相手を気遣う文化がありますよね

それとは別に、安政(

ハリスが来日した目的は本国から課せられた任務を全うするということ以外に、敬虔なクリスチャンだったため、この未開(

ところが日本に滞在する間に彼の気持ちをは大きく変化していき日記に次のように書いているそうです。
日本人は「皆よく肥え、身なりもよく、幸福そうである。一見したところ、富者も貧者もないーーこれが恐らく、人民の本当の幸福の姿というものだろう。私は時として、日本を開国して外国の影響をうけさせることが、果たしてこの国の人々の普遍的な幸せを増進する所以であるか、どうか、疑わしくなる。私は質素と正直の黄金時代を、いずれ他の国におけるよりも、より多く日本において見出す。生命と財産の安定、全般の人々の質素と満足とは、現在の日本の顕著な姿であるように思われる」『日本滞在記』ハリス著
昔はこんなに褒めて貰ってるのに、今の日本人は

確かに日本人は終身雇用制みたいに、強い者が弱い者を守ってみんな一緒に行こう!みたいな風土があったのに、いつの間にか「欧米なみ競争原理を持ち込まないと生産性が上がらない!」とか言って、次々規制緩和とかやってるうちに、あっという間に悲惨な格差社会になってしまったような気がします。このまま相手を思いやる精神が消えていくと危ういかも…
今の日本みたら、アン・モロウ・リンドバーグやハリスはなんて言うのかな?
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