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2011/10/17

89歳で日本人に

最近テレビは特番ばかりで、あまり見たいものも無く、しかたなくBSでも見ようと思ったら、9月に日本への永住のため来日されてるドナルド・キーンさんの番組をやってました。

震災で日本が大変な時、キーンさんが日本国籍を取って永住するとおっしゃった話はマスコミでも取り上げられて、多くの日本人が感動したんじゃないかと思います。

今回は番組のなかで、なぜそう決めたのかについて話されてました。キーンさんは2009年に「日本人の戦争、作家の日記を読む」という本を書かれていますが、その中で高見順の戦争時の日記を調べているうち、ある一文に心をうたれたそうです。それは戦時中東京駅で空襲で被災したであろう親子の姿を描いたものでした。

焼け焦げた布団を背負い、焼けた日用品を持ち子供の手を引いて警官のどなり声に放心したように従っているある人の姿でした。その時高見順は深い共感を感じます。

「私の眼に、いつか涙が湧いていた。いとしさ、愛情で胸がいっぱいだった。私はこうした人々と共に生き、共に死にたいと思った。否、私も、……私は今は羅災民ではなかったが、こうした人々の内の一人なのだ。怒声を発し得る権力を与えられていない、何の頼るべき権力もそうして財力も持たない、黙々と我慢している、そして心から日本を愛し信じている庶民の、私もひとりだった。」という同じ日本人としての深い深い共感だったそうです。

キーンさんはそれと同じような共感を、3月の震災で自信を失い呆然としている日本人の姿を見て感じたそうです。「ただこの人達と共に生き、共に死にたいと…」私的にザックリまとめてしまいました(汗)再放送があればBS-TBSの「ドナルド・キーン先生日本人となる」又はキーンさんの著書「日本人の戦争 作家の日記を読む」で確認してみてください。

マスコミに美談で取り上げられて少し戸惑われている様子で、「平凡な日本人でいいんです」とおっしゃってるのが印象的でした。

とは言え、日本文化に対する知識はさすがで、日本への愛情は深いんだなあ…と思う逸話に溢れた番組になっていました

キーンさんが愛してやまない芭蕉は近江に縁が深くて、遺言により大津の義仲寺にお墓があり、場所も知ってるのに行ったことないなあ(汗)情けないかも。。。
キーンさんは中尊寺の仏像についてもこの世のものとは思えなかったと話されてました。
仏像!!最近見に行ってないなあ。。。ちょうど秋の秘仏の公開の時期でもあるし、前に対面して感動した仏像、今みたらどんな風に感じられるのかな?と、また訪ねてみたくなりました

89歳で日本永住を決められたというキーンさん!日本文化を欧米に紹介していただいた功績はもちろん、私のように、自分の国の文化を知らなすぎる者には間違いなく新しいドアが開くきっかけをいただけます





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コメント

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No Subject

素敵な人ですよね。日本人に見習って欲しいです。

中尊寺ならいつでも案内しますよ~。

No Subject

おのさん、ほんとに素敵な方ですね!日本人よりも日本人らしいかも(笑)

中尊寺は世界遺産に認定されたんでしたね。高校の修学旅行に行ったきりです。
東北めぐる旅、計画しないと!!