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2012/06/26

かかわらなければ

今日の新聞で、沢知恵というシンガーソングライターの方が取り上げられてました。
顔写真に見覚えがあったし「かかわらなければ」というCDのタイトルで、5月4日に行った「祝春一番」というコンサートでピアノの弾き語りしてた人やん!!って気付きました。

朝崎郁恵さんの歌が聞きたいというだけで、出かけたコンサートでしたが、この沢さんの歌(作詞は塔和子さん)はなぜかドンと胸に迫ってきました。


         胸の泉に       塔和子作

かかわらなければ
 この愛しさを知るすべはなかった
 この親しさは湧かなかった
 このおおらかな依存の安らいは得られなかった
 この甘い思いや
 さびしい思いも知らなかった
人はかかわることからさまざまな思いを知る
 子は親とかかわり
 親は子とかかわることによって
 恋も友情も
 かかわることから始まって
かかわったが故に起こる
幸や不幸を
積み重ねて大きくなり
くりかえすことで磨かれ
そして人は
人の間で思いを削り思いをふくらませ
人生を綴る
ああ
何億の人がいようとも
かかわらなければ路傍の人
  私の胸の泉に
枯れ葉いちまいも
落としてはくれない   「未知なる知者よ」より 



この詩を書かれた塔和子さんは、13歳でハンセン病を患われ家族とは引き離されて療養所で過ごしてきた詩人の方だそうです。
ハンセン病による差別(絶対隔離のもと子供を産むことが許されなかった等)やそのため辿ってこられたであろう苛酷な人生を思わずにはいられません。
ところが「何億の人がいようともかかわらなければ路傍の人…」などとなんの恨みも感じさせないこのひたむきな詩は私には奇跡のように感じられます。

一方作曲された、沢知恵さんは牧師のお父さんに連れられ、生後半年で塔さんが隔離されていた瀬戸内海の島で顔をあわせてからのお付き合いだそうです。

年のせいかなぁ近頃身近に関わる親との関係や、半端なく難しい子育てや、その時々には苦しみの元だった人間関係、その関わりあいの濃ささえも愛おしくありがたいと感じる今日この頃、この詩は胸に響くのです
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コメント

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全ては自ら計画してきて出逢ってるんですよね。
それは、自分と、そして関わった人が進歩するため。
幸せになるためのプレゼントです。
かかわるかどうか、気づきがあるかどうか。

私は随分気づかずに暮らしていたような気がします。

おのさん、「関わってくれてありがとう!」って思えるまでにう~んと時間かかることも。。。

私もマダマダです(汗)