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2013/12/14

ハンナ・アーレント見てきました

今日はホントに寒かったそろそろ雪もふるのかな?京都に用事があったついでに、気になってた映画「ハンナ・アーレント」見てきました。

話題作で混んでると聞いてたんだけど、ハンナ・アーレントの名前もナチス戦犯のアイヒマンの裁判そのものも全然知らなかったので、「ああ、寝ちゃいそう……」って思いながら見てました。

ここからネタバレ
1960年、元ナチス親衛隊でユダヤ人の強制収容所移送の責任者だったアドルフ・アイヒマンが、イスラエルの諜報部に逮捕されイスラエルで裁判にかけられます。
その模様をドイツに生まれ自身もナチスの収容所に収容され逃れてアメリカに亡命した哲学者のハンナ・アーレントが雑誌連載のため、彼の裁判の傍聴にやって来ます。

そして彼女が発表したのが、「悪の陳腐さ」という長編レポートでここから状況は一変。このレポートはセンセーションを巻き起こしてしまいます。

裁判はユダヤ人が次から次へと証言台に立って、ヒステリックにアイヒマンを追求していきます。ところがハンナは哲学者なので、何とも言えない違和感を感じながら傍聴しています。

彼女が見たはアイヒマンは、冷酷非情な怪物ではなく、上官の命令を黙々と遂行する凡庸な官史のような存在にすぎないと喝破します。そして思考する能力の欠乏こそが、未曾有のホロコーストを引き起こしたのだと。

さらにハンナは、ユダヤ人の指導層が結果的にナチスに協力したと指摘したため、社会に衝撃をあたえます。なんせ彼女自身がユダヤ人で、収容所も知っているのに、なぜアイヒマンを擁護するような記事を書いたのか!!!とユダヤ人社会から糾弾され、誹謗中傷、脅迫の嵐。。。

でもハンナはひるみません。クビを宣告された大学で学生を前にスピーチするところなんて、理論整然としてて主張にブレがないんですでも長年の友人もたくさん去っていっちゃうんですけどね。

戦争を公平に裁くのは、ホントに難しいんだろうと思います、立場によって視点が全然違うし。この映画みて日本で戦後行われた「東京裁判」を思い出しました。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A5%B5%E6%9D%B1%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E8%BB%8D%E4%BA%8B%E8%A3%81%E5%88%A4


連合国による報復裁判とも言われたこの裁判、この時もただ一人「被告人はすべて無罪である」と主張してくれた、 ラダ・ビノート・パールというインド人法学者の方がいたんですよね

「ハンナ・アーレント」地味目な映画ですが結構混んでました!興味のある方は京都シネマでまだやってますhttp://www.kyotocinema.jp/
それにしても、哲学者としての信念で冷静に裁判を傍聴してそれを発表したハンナ・アーレントはあまりにも強い人でした。。。

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