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2022/07/01

気になってた「PLAN75」見てきました

今年のカンヌ国際映画祭で「ある視点」カメラドール特別表彰された早川千絵監督の映画「PLAN75」見てきました。https://happinet-phantom.com/plan75/

ここからネタバレ有りです 近未来の日本では不況で苦しむ若者が「老人が増え過ぎたから」という理由で老人を襲撃する事件が多発していて、75歳から自らの死を選択できる制度が国会で可決されました。それは「PLAN75」と呼ばれている・・・このテーマは気になります!つまり合法的な安楽死が日本でも選択出来たらどうなるのかなって。

主人公は倍賞千恵子さん(寅さんシリーズで妹のさくら役だった方)演じるミチ、78歳。夫と死別して一人慎ましく暮らしてはりますが、ホテルの清掃の仕事を頑張って、友達もいて充実しているように見えたけど、ある日高齢を理由に解雇されて暮らしが苦しくなってしまいます。
でも生活保護はイヤで「もうちょっと頑張ってみます」と新しい仕事を探すものの年齢的に難しく、新しい住まいも決まらず、仲の良かった友人が自宅で孤独死されてたりで、いよいよ追い込まれます。そんな時、PLAN75の説明を受けて・・・と言う展開です。

決断された後、もっと混乱されるのかと思えばミチさん、ビックリするくらい淡々と制度を受け入れていかれます。とにかく倍賞千恵子さんが、女優のオーラを消し去って孤独な老人になりきられていて凄みを感じました。もう一人の登場人物の高齢男性もあまり残りの人生に未練は無さそう。

お役所っぽい流れで、その日は近づいていきますが、市役所のプラン75の申請窓口で働くヒロムは説明を聞きにきた叔父を見つけてしまい激しく動揺します。コールセンターでミチさんの対応するヨウコはミチさんに惹かれ規則を破って逢いに行きます。
そしてフィリピンから娘の手術の費用を稼ぐため出稼ぎしているマリアは高給につられプラン75に転職し、死者の鞄に入っていた、高額な時計を持ち帰ったりして苦しみます。本当にこの自分がしている仕事が正しいのか働く若者達の方が混乱していき、最後の時にミチさんが下した選択は意外なものでした。

う~ん、これって企業が早期退職者を募ると、辞めて欲しい人は辞めなくて、優秀な人から辞めて行くって話に似てる気がしました。
私の経験だと「私って居ない方が社会の為に良い」って思う人は意外と迷惑じゃない人だったりする気がするのです。ミチさんもお金の問題だけなら、生活保護受けて新しい友達作ってまだまだ生きて行ける方だと思うし。

それより膨大に膨らむ医療費節減の為には、健康で長生きできる未来であって欲しいし個人的にも頑張りたい(`o´)
やっぱり私が一番怖いのは自分がボケてしまって、自分の意思で人生を決められない日が来ることかな?それだけは避けたいんだけどどうなることやら。。。

そう考えると父が亡くなった後も、ずっと住み慣れた家で一人で暮らし、弱ってきたと感じたら姉の家で一ヶ月だけお世話になり、さらに最後は自分で入院を決め、親しい人達に挨拶して一週間で亡くなった私の母の晩年は凄すぎて真似できそうにありません(;゜0゜)

この映画見た人は、それぞれが自分の生き様を考えさせられる良い映画だと思います|v・`)ノ|Ю
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コメント

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No title

こんにちは。
この映画、他所で紹介されているのを見て気にはなりつつ、見る勇気はないだろうな、なんて思っています。
居ない方が良い、と思う人は実は迷惑じゃないというのは私も同感です。家主や知人に迷惑がかからないようにしたうえで自ら命を絶った人のニュースを思い出しました。そういう人こそ生きてほしかった、と。
逆に、本人が自主的に決めるといっても、もし仮にこうなったら死ぬ方を選べ、と暴言を吐くであろう人物を身近に知っています。そういう人間はこんな考えさせる映画を観ても、自分に都合の良いように解釈してしまいますし……。
ともあれ自分の時には健康で周りの迷惑にならないようにしたいものですね(^^)

ヘロンさま、コメントありがとうございます!

私も同じく、まわりの人に迷惑をかけたくないっておっしゃる謙虚なに方はもっと堂々と生きていてほしいと願います。

誰が必要で、誰が不要な存在かを決めるなんて事は、もう神の領域って気がするのです(涙)